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ドストエフスキーを読んだと嘘をついた。

だから意見、お貸しします。

我が息子がバベルの塔になる時。

 

GeorgeGascoigneという16世紀イギリスの詩人がSing lullaby as woman doという詩の中で「自分の息子よ」「私の小さきロビンよ」と呼びかけていることから分かるように、人間は常に立派な棒に悩まされてきた。下半身にも脳があるとはよくいったものである。

 

今日は、今もなお人間を悩ませるきっかけを作ったとされる立派な棒を見てきました。

なので本エントリーは、つらつらと意見を述べる記事ではなく紹介と批評になります。

 

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大々的に広告されているので、ポスターだけでも見たことある人は多いんじゃないでしょうか。

バベルの塔」展に行ってきました。棒って表現は適切ではないですね、、、

 

上野や六本木で行われる展覧会の中では展示数が少ないほうですが、寓話を表象した絵画や版画は書き込みが多く、隅から隅までじっくり見たため、思いのほか時間がかかりました。

 

ルーヴルとかとは違って写真を撮れないので、展示ルートはざっくり振り返ります。

 

入ってすぐの展示は彫刻と15〜16世紀の宗教画でした。

彫刻は衣服のシワや着色の劣化など小さいながら見応え抜群でした。

 

宗教画は自分の知ってる福音の話でないものはスルー。見たところで解釈のしようがない。

他の展示会でもいえる完全な持論ですが、解説のない宗教画は入念に見なくていいと思ってます。構図も、描かれてる人も元ネタが分からないと感動のしようがないかと。

 

磔刑をモチーフにした作品が複数ありました。足元に転がる頭蓋にメメントモリを感じながらも先に進むと、宗教画が風景画に変わっていったということを示すコーナーに。

 

展示ルームの配置が独特で、メインとなるバベルの塔は最後に置かれていました。歴史的意義を考察するという論文のような作りで展示されていたのが印象的でした。

 

風景画コーナーを抜けると今回の目玉の1つ、ヒエロニムス ボスが書いた作品のコーナーに。

初来日となる「放浪者」「聖クリストフォロス」は抽象表現が多いのですが、解説が丁寧で見ててなるほどなと納得してしまいました。

 

http://babel2017.jp/point-anime.html

-バベルの塔展 ボスの作品紹介

 

ここで感想を述べても作品を見てないとなんのこっちゃさっぱりなので、ここから先読み進めるなら上のリンクから作品見ておくと楽しめると思います。

 

ボスリバイバルのコーナーは作者不明の作品が多かったのですが、特徴が忠実に捕らえられていて、本家と見紛うものもありました。

ボスに特徴される、抽象表現に一役買ってる風変わりな生物もどきは、思うに、形1つ1つに風刺する対象が込められてる。

大きい魚は小さい魚を食べるー日本でいう弱肉強食のようにわかりやすく定型に収まってるものからそうでないものまで。

こいつ、他の作品にも出てたから恐らく金銭面の欲望を表してるんだろうなとか、肉欲だろうなとか考えながら細部までぎっしり描かれた作品を解釈していけました。なのでこのボスリバイバルコーナーが一番印象に残ってます。

どのキャラクターもストレンジではなく、ファンシーな奇妙さで、どこか憎めず版画のポストカードをお土産で買ってしまいました。

なんか可愛いんだよね。

啓示や警告を示す寓話そのものを表象しているので、空想・幻想的でありながらも、地に足がついたー現実にリンクした彼らは生活の一部に今でも潜んでいるような気がします。

 

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写真撮影可能な場所で撮ったものです。

一番下のが大きい魚は小さい魚を食べるのモチーフキャラです。なにも考えずに見て分かる素晴らしさ。

説明を詳しくすることだけが相手にわかりやすく伝える術ではないと思いました。

 

ボスコーナーを抜けると最後がバベルの塔の展示場。

実物のサイズを再現した塔の模型が置いてありました。

旧約聖書の一節の引用から始まり、作品にどのような形で落とし込まれてきたのか解説されていました。

模型やリメイクされた作品が大きかったため、実物の「バベルの塔」はあんなに小さいとは思いませんでした。

塔の窓1つ1つ凝って描かれているのに覗き込まないとよく分からないくらいのサイズで、作品よりもブリューゲルの根気に感動しました。

 

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作品をプリンタで取り込み大友克洋がリメイクした作品も飾られていました。

さすがとしか言いようがない内部の細かさは「AKIRA」以上かもしれません。

 

展覧会全体を通じて思ったのは、遠い世界や空想的な世界であるにもかかわらず現実とリンクしているような作品には歪みがあるということです。

 

目の前にある絵画が額縁の中で動いているかのように思えるものは、必ずと言っていいほど平行や垂直ではなく、作品の全体像が歪んでいて、逆にそれがリアルさを与えているのではないかと感じました。

バベルの塔」で言えば、塔はまっすぐではなく左に傾いているように思えます。ボスの作品で言えば「大食」がそうで、家やテーブル、人々が斜めになっていて、正確さを欠いた描写が歪みとなり、額縁の中では息をしているように思えるのです。

 

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今日買ったお土産。

印象に残った絵を思い出しながら今日は寝ようと思います。

 

美術館に行くのは好きだけど僕は芸術のプロではないです。だけど、作品と直に向き合える場所は、自分にとっての解釈が許される場のような気がします。よく、わかんないけど圧倒された。とかでいいんだと思います。唯一絶対の作者は亡くなってるわけだし。

難しい解説を熱心に読むのもいいですがふらっと行って楽しむのも1つの方法だと思います。気になったら「バベルの塔」展に行って見てはどうでしょうか。

 

では、また。

 

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