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ドストエフスキーを読んだと嘘をついた。

だから意見、お貸しします。

遠くの街にミサイルが飛んでいった。

 

僕が彼女とベットの中で日常の気だるさに身を預けていた時、海の向こうでは化学兵器が少年少女の命を奪っていた。

 

明日は我が身。

焦燥感と少しのワクワクを感じる自分がいた。不謹慎だなってすぐ反省した。

 

僕が今携わってる仕事はニュースの価値よりも数字が圧倒的に重視される業務だ。自治区内の紛争で人が死ぬよりも、お隣の国で起きたみすぼらしい出来事の方が関心を持ってもらえる。記事を読んでもらえる。PV数を稼げるほうが「価値」のある重要な事件なのだ。言ってしまえば命を賭した惨状は、数字にならないなら使えないのである。

手のひらで確認できる世界は人の生き死によりも、会ったこともない誰かの不倫や、気になるあの人の気持ちを確かめられる恋愛テクのほうがはるかに重要で意味がある。

 

シリアの紛争で民間人7人が亡くなった。

このニュースを伝えた時、よく読まれる時間帯であるにもかかわらず、この1記事だけ散々な結果だった。

画面越しの彼らは口を揃えて「またいつものことか」「自分の国には関係のない話」と言ってるように感じられた。

でも、それに対して文句はない。数字をとれなかったのは自分のミスで、ターゲットユーザーにもっと寄せるべきなのだ。分かっているなら正義感を振り回してる場合ではない。

 

昨日シリアではサリンを用いた空爆があった。無力な少年少女の命が奪われた。人々の関心は向けられたが、死傷者数にインパクトがあり、化学兵器が使われ国連が声明を出すような事態になったからだと思う。

虚しい話ではあるが、死傷者数が多ければ普段はスルーする記事であっても目を通してしまう。戦争を知らない僕らにとって死は数字でしかない。大きい数字はそれだけでインパクトがある。

 

 画面越しの死傷者は僕らに少しづつ近づいている。

テロ集結を目指し、アメリカは基地へミサイルを打ち込んだ。もちろん兵士に死者が出た。

株式市場では戦争銘柄が急激に人気になった。

シリアの後ろ盾であるロシアとの関係はさらに緊迫化、国内で米への憎悪は激しさを増す。

空域での危険回避を停止するロシアの動きに、不穏な影がチラつく。

やったからやられて、やられたからやり返して。それで最後は平和になるとは思えない。でもやっぱり、化学兵器の使用は超えてはいけないラインだったなと思う。住民の「うちの子がなにをした」という嗚咽が事態の悲惨さを物語っている。どう考えたって人道的ではない。

大義を掲げた報復ではない攻撃に正義があったかは分からない。考えようとすると、主観が入り込んでしまう。でも、撃たなければきっと撃たれていた。

安心して眠れる国を作るのは昔からヒーローの役目だった。

 

 

北朝鮮は核実験が行われる予定で、韓国は北に対して全範囲を狙えるミサイルを開発した。

攻撃の正当性を主張し、米と従軍勢力は叩く対象であり、先制で狙うつもりである。と表明した北事情も、またやってるよ。では済まなくなってきた。

 

戦争が起きるかもしれない。

でも、シリアを許すなとまでは言わないが、トランプ大統領の舵取りは正しかったと僕は思う。願わくばこの攻撃が掲げられた大義通り虐殺と流血を止めるものとなってほしい。

 

勧善懲悪ほど分かりやすい筋書きはきっと描かれない。振りかざされる大義に飲み込まれないように、21世紀最大の人道危機にもう少しだけ多くの関心を持たなければならない日が来たのだ。

 

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